体の使い方10:「なめらかに弾く」
はい今日はですねテクニックのお話です。
ピアノでいろんな曲を弾いていて、このきれいなメロディーを歌うように「なめらかに」弾きたいなあ〜、という時はよくありますよね。
ピアノという楽器のしくみとしては一音、一音が別の鍵盤を弾いて別の弦を打って鳴らすのでなめらかにつながっているように聴かせるのはなかなか難しいです。
なめらかに弾くためにはいくつかのコツがありますが、一つ分かりやすくて取り入れやすい方法を説明します。レッスンでもみなさんによくお話していることです。
なめらかに弾きたいけどなんとなく「ゴツゴツ」してしまう時には、音を弾くたびに手首が上下に動いている場合があります。
ピアノは手や腕や体の動きが繊細に伝わってそれが音によく出る楽器です。弾くたびに手首がでこぼこすると音もでこぼこします。極端に言うと、一音一音にアクセントが付いている状態になります。
たとえばこういうふうに音符が並んでいるとしたら
音を弾くたびに一つ一つ重さを「乗せ直して」しまう弾き方。
赤い矢印が手首の動きになります。
↑これだとなめらかに聴こえないので、ではどうするかと言うと、メロディーをワンフレーズ弾く間は、最初に重さを指に乗せたらそれを乗せたままで弾く指にそれぞれ乗せかえて行きます。
こんなイメージ。
手首はワンフレーズ終わる音までは上げません。
上げたら次に必ず下ろすからアクセントになっちゃう。
あ、腕は硬くしないでいいですよ。むしろ柔軟に、横移動は積極的に使いましょう。上下にぴょんぴょんしないようにだけ気を付けます。
例えば人間が歩く時、一歩ずつピョンピョンはずまないですよね。自分の体重を右足と左足に交互に「乗せかえて」いるだけです。(うれしいことがあった時とかははずんでるかもしれませんが。笑)
同じように、指にも重さを乗せたら手首をはずませずに、次の指、そのまた次の指に重さを「乗せかえて」弾きます。
そうすると音量がでこぼこしないでなめらかになるし、フレーズもきちんとまとまりが出ます。途中手首を上げて下ろすと、必ずそこに「切れ目」ができます。
そのフレーズをクレッシェンドしたい時には乗せた重さをだんだん増やして行きます。
デクレッシェンドしたい時には重さを減らして行きます。
重さと言っても力んで乗せなくてよいですよ。腕の重さをそのまま指先に乗せる感じです。
とは言ってもその重さがきちんと音に変換されるためにはしっかりとした指の「支え」は必要です。これは全てのテクニックの基本です。
支えがきちんとできていれば、無駄な力もいらなくなるし無駄な動きもなくなります♪
この手首の動きは説明するとみなさんわりとすぐできるし、言われて初めて「あ、手首が上下していたんだ」と気付く人も多いです。特に曲を最初に練習する時はゆっくりとしたテンポで始めるので、その時につい一音一音手首が動いていて、そのままその動きで弾いてしまっていたりします。
あとは一音一音じゃなくても、指がくぐる時やまたぐ時、それから黒鍵と白鍵のつなぎなどでも手首がぴょこ!としてしまったりもありますね。
雑な絵だけど伝わったかな〜〜?(汗)
「手首」にちょっと注目してレガートを弾いてみてください♪
♪ 体の使い方 ♪
その1:「姿勢」
その2:「手のフォーム」
その3:「親指」
その4:「タッチ」
その5:「和音をそろえる」
その6:「アクセントの鳴らし方」
その7:「音階をきれいに弾く」
その8:「腕を使って弾く」
その8-a:「上から下ろして弾く」
その9:「無駄な力を抜く」