クリスチャン・ツィメルマン リサイタル
おととい11日、水戸の芸術館にクリスチャン・ツィメルマンのリサイタルに行って参りましたー!!!
ツィメルマンと言えば名実共に世界のトップクラスで活躍する現代のピアニストの一人であります。
私もCDを何枚か持っていますが、今回のプログラムは・・・・・
オールシューベルト!!
おお・・・!!ツィメルマンのシューベルトか・・・!!
どんな演奏に!?
とドキドキしながら唯一のピアノの先生友達と水戸へ。
ツィメルマンが水戸に来るなら行かないと!!
それも芸術館!!
https://daihatsu-port.jp/cp/cast/pc/project/img/assets/spot/062/img-thum-1-l.png
こんな感じで低いステージをぐるりと取り囲むような、ステキなホールなのです。
座席数も680くらいであまり広くなく、とても間近で演奏を聴けるのです!
これは芸術館のシンボル。
入り口。
もう行く前から緊張。
生ツィメルマン・・・・・(ドキドキ)
芸術館友の会の優先販売でゲットしたチケットで、演奏の手元も見えるようないい席!!
ふ、震える・・・。
ステージに現れたツィメルマンは美しい白髪とおヒゲをたっぷりとたくわえ、優しい笑顔で客席に挨拶をしてピアノを弾き始めました。
いやまて、この調子でつぶさに書いてくと夜が明けるな。(汗)もっとざっくりと書かないと。
息を凝らして聴いたそのツィメルマンのシューベルトは・・・・・
至高のシューベルトでした!!
なんか・・・なんというか、ああ、シューベルトって本当の美しさはこういう美しさなんだなあ・・・と、シューベルトの捉え方、感じ方が改められたような演奏でした。
ツィメルマンと言えばもうテクニックも表現も超一流中の一流で、演奏は瑞々しく、隅々までロマンティックで繊細かつ大胆、レパートリーも幅広く、世界中のオーケストラとも共演し、なんでも自在にできちゃうピアニスト!なのですが、シューベルトは今まで私が思っていた華やかなツィメルマンのイメージとまた違っていました。
ことさらにどこかを強調したり個性的な表現というよりは、とても自然に、心地よくそのメロディーを、ハーモニーの移り変わりを歌うように、いつくしむように弾いているようでした。
もちろん自然に聴こえるその中身は様々な創意工夫がなされていると思いますが。
誰かの演奏を聴くということは、その「演奏者の表現」を聴くということと、「作曲者の表現したい音楽」を聴くということのどちらの意味もあると思うのですが、この演奏会ではツィメルマンの表現がそのままシューベルトの表現であり、出過ぎることも引っ込みすぎることもなく、演奏者と音楽がぴったり一つの音楽になっているように感じました。
シューベルトのこの2曲のソナタはシューベルトの最後の2曲のソナタなのですが、ちょっととらえどころがないように私は感じていました。
ベートーヴェンのように重厚でメリハリのきいた明確な構成感があるわけではなく、でも長大なのです。もちろん美しく、ドラマもあるのですが。
ちょうどその演奏会の前の日は、私は東京のN先生のところにレッスンに行っていたのですが、その時に演奏会の話をしまして、その時N先生は、
「シューベルトのソナタは楽想がいくつも次から次にうすく重なりながらつながって行くけれど、それをどう処理していくかが一つの聴きどころかもしれないね」
とおっしゃられていました。
ツィメルマンの演奏を聴いていて、なるほど、とそのN先生の言葉の意味を理解できたように思いました。
そういう意味でツィメルマンの「つなぎの処理」は絶妙で極上でした!
細かく変わる和声を、自然ながらもよく聴くと「つなぎ」の大切な音を少し長めだったり強めだったり、またはあえて弱めだったりと絶妙なコントロールをしながら美しく、心地よく聴かせていました。それによって一つ一つのフレーズに意味を与え、展開させ、色彩を与えて一つの大きな物語を編み上げていました。
その精緻なコントロール・・・!!
なんて美しいpp・・・!!
和音のそれぞれの音のバランス!!
心憎いルバート!!
たっぷりとしたff !!
輝くようなパッセージ!!
どこまでも精緻なコントロールのきいた演奏なんだけど、でも全然息苦しい感じはない。むしろ全体にリラックスしているような、歌っているような演奏でした。
実際ツィメルマン本人が所々小さな声でメロディーを歌っていましたね。
あとはですね、この演奏会を聴いて思ったのは、シューベルトってなんでこんなに長いんだろう・・・と単純に不思議に思っていたんですけど、あ、そうか、シューベルト自身が演奏が、自分の音楽が好きだったから続けたかったんだ、次々と湧いて来る美しいメロディーを、ハーモニーを、もっとずっと続けたかったから長いんだきっと。
って思いました☆
ツィメルマンが演奏するシューベルトが、他の作曲家の「どう!?どうこのメロディー!?この想い!!伝わってる!?分かる!?分かって!!」みたいな感じはあまりなくて、とにかく本人がその音楽をいつくしんで、楽しんで、味わって、もっともっと弾いていたい、この気持ちよさに身を浸して表現していたいんだ!
というような音楽に聴こえたのですね。私はね?
すごい作曲家ですよシューベルト。だってわずか31歳で亡くなってるんですよ?それですごい多作だし名曲もたくさんだし、もちろん歌曲王で歌曲もたくさん、器楽も独奏曲、室内楽、オーケストラとまああらゆる形態の音楽を作って、もうニンゲンワザとは思えません!
31歳かあ・・・若いなあ・・・。
でも数百年後にこうしてこんなにも美しく、素晴らしくその作品を演奏されていると知ったら、シューベルトもうれしいんじゃないかな。
あ、それとね!!
前回のブログで「休符の絶大なる効果」について書きましたが、このシューベルトの2曲のソナタ!!
これほどその「休符の絶大なる効果」を明らかに感じられる曲はないかも!
よかったら聴いてみて下さい♪
あ・・・疲れた・・・読み直す気力がないのでまとまりのない文章だと思いますがすみません。もっと書きたいことあったような気もするけど・・・もうろうとしてきた。(笑)